ステップレコーディング
ステップレコーディングとは

 ステップレコーディングとは、あらかじめ音符の長さ、ベロシティーを指定しておき、音程だけを連続入力していくことにより音符を入力していく方法です。次の音を入力するために、基本的に音程を入力するだけですむため、Music Studioにおいては他のどの入力方法(譜面入力、ピアノロール、数値入力など)よりも高速に入力することができます。その他にも、スペースキーで音符の長さを伸ばすことができるため、ステップレコーディングであるにも関わらずリズミカルなレコーディングが可能である事、間違えて入力してもBack Spaceキー一つで訂正が可能であるなど、多くのメリットがあります。他の入力方法に慣れてしまった方でも、一度は試す価値のある入力方法です。

ステップレコーディングモードにする

 ステップレコーディングを行うには、ロケーションボタン等でステップレコーディングを開始する位置に移動し、図のようにレコーディング先のトラックの「R」欄@をクリックしてトラックをレコーディング状態にし、トラックウインドウ上方のステップレコーディングボタンAを押します。ステップレコーディングウインドウが開き、ステップレコーディングモードになります。

 参考)ステップレコーディングは、ピアノロール、スコアロールにおいて挿入ボタンが押された状態でも行うことができます。

ステップレコーディングウインドウ

 ステップレコーディングウインドウが開いたら、まずステップレコーディングする音符の基本単位を指定します。例えば、今打ち込もうとしているフレーズのうち、一番短い音符が8分音符である場合、音符の長さは8分音符に設定します。この音符はマウスでも指定できますが、テンキーを使った方が素早く指定できます。テンキーと音符の対応は以下の通りです(これは、クオンタイズやピアノロールにおいて音符指定する場合も同じです)。

1全音符
22分音符
44分音符
88分音符
616分音符
732分音符
964分音符
33連符
55連符
P付点音符(テンキーのピリオドでも可)
03連符、5連符、付点音符の解除


 例えば、音符の長さを8分音符に設定するには、テンキーの8を押します。同様に16分音符にするには、テンキーの6を押します。音符を指定すると、音符の右に表示さている数値が8分音符の場合で480、16分音符の場合で240に変化しますが、これは音符の長さを4分音符あたり960で表した値です。ここに直接任意の値を入力することで、3連符、5連符以外の連符も入力することができます。例えば10連符の場合は960÷10で96になります。

ソフトウェアキーボードでの打ち込み

 ソフトウェアキーボードを使うと、マウスもしくはキーボードをMIDIキーボードの代わりに使って音符を入力することができます。マウスを使って音符を入力するには、ステップレコーディングウインドウ下に表示される鍵盤をクリックします。キーボードを使って音符を入力するには、鍵盤上に表示されている文字に対応したキーボードのキーを押します。画面上に表示されるソフトウェアキーボードはわずか3オクターブと少ししかありませんが、その下の「オクターブ」で表示されている鍵盤の中心のオクターブを指定する事により、MIDIで定義されている11オクターブ全域を使った打ち込みが可能です。オクターブを素早く変更するには、キーボードのPageUpキー、PageDownキーを使います。

実際のステップレコーディング
 では、実際に何か入力してみましょう。この譜面を見て下さい。

 まず、ここでの音符の基本単位(一番短い音符)は8分音符ですので、8キーを押すなどして音符の長さを8分音符にします。ソフトウェアキーボードを使って打ち込む場合は、最初の音「ド」のオクターブは5ですので、PageUpキーを押すなどしてオクターブの値を「5」にします。これで準備は整いました。それでは、実際に打ち込んでみましょう。

 まずは一小節目、ド、レ、ミ、ファ、ソ、ファ、ミ、レ、と打ち込みます。

 MIDIキーボードの場合、音を順に弾いてみて下さい。MIDIキーボードから入力された音が記録され、入力位置が先へ進みます。
 ソフトウェアキーボードの場合、それぞれの音に対応するキーを押すか、マウスで鍵盤をクリックします。キーボードで打ち込む場合、この例では、C、V、B、N、M、N、B、Vの順にキーを押します。キーが押される度に音が入力され、入力位置が先へ進みます。

 もし間違えて入力してしまった場合、戻る(Back)ボタン(←)で音符の長さ分戻ることができます。このボタンはBackSpaceキー、MIDIキーボードの場合はピッチベンドを下げることで代用できます。

 一小節目は入力できましたか?それでは2小節目に移りたいと思います。1小節目と2小節目の決定的な違いは音の長さです。これまでは8分音符だったのでそのまま打ち込む事ができましたが、ここからはそうはいきません。
 このような場合は、まず同じようにしてドを入力します。しかし、このままでは入力された音符は8分音符で、4分音符ではありません。8分音符を4分音符の長さに伸ばすには、タイボタン(=)を使い、タイを入力します。このボタンは、スペースキー、もしくはMIDIキーボードのダンパーペダルで代用することもできます。このタイを入力すると、最後に入力された音が音符の長さ分伸びます(ここでのタイは、一般に楽譜で使われるタイとは意味が異なります)。これで先ほどの8分音符は8分音符分伸び、4分音符となりました。

 次の音も4分音符ですから同様にして、音を入力、続けてタイを入力します。ソフトウェアキーボードで打ち込む場合、ここはソ、ドと続けてオクターブが変わりますから注意してください。

 最後の音は2分音符です。2分音符は8分音符の4倍の長さですから、一度ドを入力した後、タイで3回伸ばす必要があります(最初に入力した音の長さ(8符音符1つ分)+タイ3回分の長さ(8分音符3つ分)=2分音符(8分音符4つ分))。

 長々と解説しましたが、実際は「ド、レ、ミ、ファ、ソ、ファ、ミ、レ、ド、タイ、ソ、タイ、ド、タイ、タイ、タイ」と打ち込んだだけで入力が完了している事に気付くと思います。音の長さを変えたいときタイで伸ばすだけで済むため、実際のリズムに合わせて非常に高速に入力することができます。

 これで打ち込みは完了です。OKボタンを押してステップレコーディングモードを抜け、F5キーで再生してみましょう。正確に入力できましたか?

休符、和音の入力など

 休符は、進む(Rest)ボタン(→)で入力することができます。このボタンを押すと音符の長さ分の休符が入ります。現在指定している音符の長さよりも長い休符を入力する場合、進むボタンを複数回押します。このボタンは、「R」キー、MIDIキーボードの場合はピッチベンドを上げる事で代用できます。

 和音は、MIDIキーボードの場合はそのまま弾いて入力します。和音は、すべてのノートがオフになった時点で入力されますので、一音ずつゆっくり入力することができます。ソフトウェアキーボードから入力する場合、Shiftキーを押しながら和音の構成音を一音ずつ入力します。Shiftキーを押している間に入力される音はすべて和音として認識されますので、和音入力中でもオクターブやベロシティー等の値を変更することができます。

 その他、和音の構成音のリズムがばらばらである場合でも、ノートオンのままタイを入力したり、前の音を消さない程度に戻るボタンで戻るなどすることで一度に入力することができます。

ベロシティー

 ベロシティーとは、音の強弱を表す数値です。ピアノ、フォルテなどで表される音の強弱を、1〜127の127段階の数値で表現します。MIDIキーボードから音符を入力した場合、デフォルトの状態ではMIDIキーボードを弾いたそのままの強さで音符が入力されます。ベロシティー一定のチェックボックスをチェックすると、MIDIキーボードから入力された音のベロシティーに関わらず指定したベロシティーの値で入力することができます。ソフトウェアキーボードを使用した場合、一定がチェックされていない場合でも、ここで指定する値がベロシティーの値になります。また、加算値に値を指定しておくことで、ノートを入力する度にベロシティーの値を指定した値ずつ自動的に加算することができます。この機能を利用することで、簡単にベロシティーの連続的な変化を作り出す事ができます。

デュレーション

 デュレーションとは音が鳴り始めて消えるまでの実際の長さを表すものです。例えばスタッカートを表現する場合はデュレーションを短く、テヌートを表現する場合はデュレーションを長くして音符を入力します。ここでは、スタッカートで25〜50%、テヌートで100〜120%くらいの値を指定するとよいでしょう。

最後に

 ステップレコーディングは、正確なリズムを必要とするフレーズや、手弾きでは難しいフレーズ、また、細かい音を多数入力するような場合(特にシーケンスフレーズの入力時など)に効果的です。他の様々な入力方法とうまく組み合わせてステップレコーディングを活用して下さい。




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